口臭対策に役立つ意外なものが氷です。
氷が口臭対策に役立つ理由は、口臭のもととなるガスが揮発性だからです。
今回は口臭対策に氷を活用する方法についてまとめました。
口臭に氷がよい理由は?ガスの抑制?
口臭の原因となるガスは主に3種類です。
1つめがメチルメルカプタンです。野菜が腐ったような臭いがします。
2つめが硫化水素です。卵が腐ったような臭いが特徴です。
3つめがジメチルサルファイドです。タマネギが腐ったような臭い、ゴミのような臭いがします。
通常はこれらのガスが混合しており、非常に不快な臭いがします。
これらの揮発性のガスが発生する原因は口の中の細菌です。
口の中には数多くの細菌が棲みついています。
そして、口の中には食べかす、唾液、剥がれ落ちた粘膜などもあります。
細菌が食べもののカスなどに含まれるタンパク質を分解すると、嫌な臭いのする物質を作りだします。これが口臭の原因です。
起床時、空腹時、緊張時は口臭が強くなりやすい傾向があります。
このようなときには唾液の分泌量が減少し、口の中が乾いて細菌が繁殖しやすくなります。
細菌の数が多いほど口臭の原因となるガスが大量に発生をして、口臭が強くなるのです。
半導体ガスセンサーという測定器を使うと、メチルメルカプタン、硫化水素、ジメチルサルファイドなどを測定できます。
揮発性物質なので氷で冷やすことでガスが拡散しにくくなり、口臭が抑えられるのです。
口臭対策のための氷の使い方
揮発性の物質の拡散を抑えるために氷で冷やすので、口臭を抑えるためには口の中全体を冷やすように氷を使うことがポイントです。
用意するものは氷だけです。
口の中に入れられる大きさのものを用意してください。
ウイスキーを飲むときなどに使用する氷では、口の中に入れるには少し大きいかもしれないので、家庭用冷凍庫で作る大きさの氷がよいでしょう。
氷が大きなときには、アイスピックなどを使って氷を砕き小さくしたものを使用しても構いません。
氷を作る水はどのようなものでもよいです。
水道水では塩素やトリハロメタンなどが気になる場合は、浄水器を通した水やミネラルウォーターを使うとよいでしょう。
そして、氷を1つ口に入れます。
口の中全体が冷えるように、氷を口の中で転がします。人によっては冷たさで歯がしみることがあるでしょう。
その場合は、なるべく歯に氷が付着しないように口の中で氷を転がしてください。
口の中で溶けた氷による水は、そのまま飲んでも吐き出してもどちらでもよいです。
口の中が冷えればよいのでアイスクリームを食べてもよいのではないかと思うかもしれませんが、アイスクリームには砂糖やタンパク質が含まれていて、口の中の細菌のエサになってしまうのでおすすめできません。
口臭予防には氷を使いましょう。
口臭は氷での根本的解決は無理
氷は揮発性の物質の拡散を抑えてくれて、口臭を軽減してくれることが期待できます。
しかし、それは一時的なもので根本的に口臭を解決したのではありません。
口臭の主な原因は、口の中に棲みつく細菌がタンパク質を分解してできる物質です。
つまり、口の中に食べかすなどのタンパク質が残っていれば口臭が発生しやすくなるのです。
また、唾液の分泌量が少ないと細菌が繁殖しやすくなるので、唾液の分泌量の減少も関係しています。
このような理由で氷では口臭を根本的に解決できません。
口臭が気になるようなら、歯磨きをして口の中を清潔に保つようにしましょう。
歯と歯の間や歯と歯茎の境目など磨き残しがあり、こういった磨き残しが口臭の原因になっている可能性があるので、1本1本丁寧に磨くことが大切です。
歯周病や虫歯があると口臭が強くなることがあるので、その場合には歯科医での治療が必要です。
食べものをよく噛んで食べたり、耳の下をマッサージすると唾液の分泌が促されます。
口の中が乾いていると感じたときには、耳の下をマッサージしたり、水を飲んで口の中に潤いを与えましょう。
氷で口臭を抑えられるのは一時的と考えて、日ごろから口の中を清潔に保つようにして、口臭対策をしていきましょう。