虫歯に食べものがつまって匂いが発生
虫歯の方は口の中が匂いやすい傾向があります。
口の中が匂ってしまう原因は3つあります。
1つめは虫歯に食べ物がつまり菌が食べかすを分解することです。
虫歯ができるとそのくぼんだ部位に食べものがつまりやすくなります。
しっかりと歯磨きをしているつもりでも、歯磨き粉の泡が大量に発生をして磨いたつもりになっているだけだったり、細かな部位にはまだ食べかすが残っていることがあります。
口の中には300~400種類以上、唾液1mlあたりには10の8~9乗もの数の細菌が棲みついているといわれています。
口の中の細菌は虫歯につまった食べかすに含まれるタンパク質を分解し、嫌な匂いのもとを作りだします。
唾液には口の中を清潔にする働きがあり、細菌の繁殖を抑制してくれていますが、唾液分泌量が少ないとこの唾液の働きが十分に行われず、細菌が繁殖しやすい状態になります。
就寝中、ストレスを感じているとき、空腹時などは口臭が気になりやすいタイミングですが、このようなときには唾液の分泌量が減少することが関係しています。
また、虫歯につまった食べもの自体が腐敗して匂いを発生させることもあります。
食事を常温に置きっぱなしにしていると嫌な匂いが生まれることと似ています。
虫歯で神経が腐って匂いが発生
虫歯で匂いが発生する2つめの理由は神経が腐ることです。
虫歯によって強い痛みを感じる場合、歯の神経がある歯髄にまで進行してしまっている可能性があります。
このようになると冷たいものを摂っただけで痛んだり、ズキズキと痛みがひどくて眠れないこともあります。
歯髄で炎症が起こると神経は死んでしまい歯髄の中が腐敗をします。
食べものが腐ったときにも嫌な匂いがしますが、神経の場合も腐ってしまうと嫌な匂いが発生をします。
虫歯に感染をした歯髄はどんどん腐ってくるので歯科医では神経を取る治療を行います。
麻酔をして神経を取り除き、そして根幹治療として消毒を行います。
しかし、神経を失うともう二度と神経が戻ることはありません。
このようにならないためには、普段から歯磨きをしっかりと行うことが重要です。
普段の歯磨きは1本1本を丁寧に磨くようにしましょう。
歯と歯の間や歯と歯茎の境目は磨き残しをしやすく、この部位から虫歯が進行していくことがあります。
歯と歯茎の境目には歯ブラシを45度の角度で当てて、小刻みに動かして磨きます。
歯と歯の間は歯間ブラシなどを使って磨くとよいでしょう。
きちんと歯磨きをして虫歯を予防することが、神経を失わないためには重要です。
虫歯治療の後も匂いが発生をする
虫歯治療を行えば匂いが解消できそうですが、治療後にも匂いが発生してしまうことがあります。
一般的な虫歯治療では、虫歯の部位を削ってそこにかぶせものをします。
かぶせものと歯の間にはすき間ができてしまうことがあります。
咀嚼による刺激、食べものの熱によるかぶせもの膨張など、すき間ができる理由はいくつかあります。
しっかりと毎日歯磨きをしていても、かぶせものと歯の間までは磨くことができません。
そのため、かぶせものと歯の間で食べもの腐敗がはじまり匂いが発生をすることになります。
かぶせものの下に食べもののかすがたまってしまうと自分では見ることができないので、知らず知らずのうちに食べもののかすの腐敗が進行をすることになります。
また、その部位で虫歯が進行することもあります。
軽度の虫歯だったものが、かぶせものと歯の間で虫歯が進行をして、神経まで到達してしまうケースもあります。
神経まで到達してしまえば、神経が腐敗することによる匂いも気になるようになります。
このようなことを防ぐには、定期的に歯科医で検査を受けることが大切です。
虫歯治療の後は検査を怠りがちですが、匂いを防ぐためにも虫歯の進行を抑えるためにも、定期的な検査が大切です。