ワキガが急に発症する「原因」と「対策」についてまとめています。
ワキガ(腋臭症:えきしゅうしょう)とは、皮膚にある「アポクリン腺」からでる汗が原因となってワキの下から気になる強い臭いがしてくる状態のこと。
問題となるアポクリン腺は10代後半に発達するため、それにともないワキガは思春期ごろ発症するのが一般的です。
ですが、なかには大人になってワキガが急に発症し、気になりはじめる人も!
ここでは、そんな大人になってからのワキガが急に発症する「ナゼ」と「対処法」について簡単に説明していきたいと思います。
そもそもワキガってどんなもの?
ワキ下から気になる強い臭いを発する「ワキガ」。
その原因は、アポクリン腺にあります。
アポクリン腺とは、わたしたちの誰しもが持っている皮膚の汗腺(汗をかくための器官)のこと。わたしたちの皮膚には汗腺が2種類あり、そのひとつがアポクリン腺です。
アポクリン腺はワキや耳穴などに集中していて、そこから出る汗はタンパク質や脂質を含んでいるのが特徴。
もうひとつの汗腺「エクリン腺(こちらは身体の表面全体にある汗腺)」から出るのが、ほとんど水分で構成された蒸発すればニオイもほぼ気にならなくなるサラサラ汗なのに対し、このアポクリン腺からでてくるのはベタベタ汗。
このベタっとしたアポクリン腺からでる汗には、タンパク質や糖など色々なものが含まれており、そのうちの脂質が(皮脂などと混ざりあい)皮膚表面にいる細菌によって分解されるときに、ワキガ特有の強い臭いが生まれてくるのです。
つまり、ワキガの人とそうでない人の違いは、ずばり「アポクリン腺の数」!
汗腺の数は生まれながらに決まっており、アポクリン腺を多く持って生まれてきた人ほど(思春期の身体の成長とともにアポクリン腺が発達)ワキガになりやすいというわけです。
さて、一般的に思春期になるワキガですが、大人になってワキガが急に発症して突如気になりはじめることも!
アポクリン腺から出る汗が原因となるワキガは、アポクリン腺が思春期(第二次性徴)に発達することから、10代半ばから後半にかけて気になりはじめるケースが大半です。ですが、思春期の頃にはさほど気にならなかったのに、大人になってから急にワキガに悩み始める人も少なくありません。
では、なぜワキガが急に発症してしまうのでしょうか。
ワキガが急に発症した要因その1:ストレス
まず、ワキガが急に発症した1つの要因として考えられるのがストレス。
アポクリン腺から出る汗と、精神的ストレスとには実に大きな関係があります。
ストレスを感じたり緊張したりしたときに「ジワっとした嫌な汗」をかいた経験、みなさんあるのではないでしょうか。緊張したりドキっとしたりしたときに「冷や汗をかいた」などといいますよね。実は、このストレス時にかく「ジワっとした汗」は、多くがエクリン腺ではなくアポクリン腺からでてくるベタベタ汗!
ストレスや緊張によってドッと噴き出してくる汗は、ニオイを生みやすい汗なのです。
そのため、社会人になって仕事を始め、忙しくなり、精神的にも肉体的にもストレスを強く感じるようになるにつれ、アポクリン腺からかく汗の量が増加。ワキガが急に発症するという悩みが出てくることがあるわけです。
こうした場合には、ストレス対策が肝心。
自分に合うストレスの解消法をみつけ、それに取組むのはもちろん、日ごろからストレッチや深呼吸などを意識的にすることで心身の緊張を緩和させてあげるのがオススメです。
ワキガが急に発症した要因その2:生活の変化
ワキガが急に発症した理由には、生活・特に食生活の変化も主な要因のひとつとなるもの。
上記の通り、ワキガはアポクリン腺からでる汗の成分や皮脂と皮膚のうえの常在細菌が結びつくことが原因です。つまり、汗に含まれる“脂質”の量が多くなればなるほど、どんどんニオイも強くなってしまうということ。
そのため、脂っぽいものを多く食べるほどに、汗に含まれる脂質も増え、その結果、それまで目立たなかったワキガが急に発症して臭いが強くなり気になってくる場合があるのです。
社会人になって一人暮らしをはじめ、コンビニ弁当で食事をすませたり、つい肉や揚げ物ばかりを食べたりしてしまう人は少なくありません。ですが、忙しいから、自炊が面倒だから、好きなものが食べたいからといってこうした食生活をしているとワキガのニオイが強くなっていってしまいかねないため要注意。
現在は、汗腺の切除手術や汗腺機能を抑制する注射など様々なワキガ治療法があります。ですが、そうした外科的手段をとるまえに、まずは自らの生活をふりかえってみるのも大事なこと。
肉料理や油っぽい食事が好きな方は、食生活を見直してみることもワキガ対策として有効ですよ。